今日、日本人がアメリカを旅行しても、多くの場所で快く受け入れてもらえると思います。
こんな環境は、何世代も前の日系移民の人たちが頑張って今の地位を気づいてくれたおかげでもあるんです。
本記事では、実際に自分が移民としてアメリカに住んでみて、アメリカの日系移民に関して感じること、移民について学べる場所・本について紹介しています。
農業や鉄道の労働力として移住した日本人
アメリカを旅行すると、ハワイのサトウキビ農場で日本人が多く働いていたとか、カリフォルニア州・サクラメントに行けば鉄道の敷設のために日本人や中国人のアジア人が多く働いていたという展示を見かけます。
実は、明治時代に、多くの日本人が出稼ぎ労働者として、アメリカにわたっていました。多くの日本人が、鉄道の敷設や農業をして、安い賃金で働いていたといいます。
私の遠い親戚も、ブラジルに渡り農業に従事する労働者として働いていたようです。
今では、「トヨタ!」「ホンダ!」と言われ、世界から先進的な国として日本は見なされています。実は昔は、日本人は安い労働力の国として扱われていたという事実は、今の日本の姿と対照的で衝撃的でした。
さらに、戦時中には、全米にいくつもの強制収容所があり、日系人が閉じ込められていたという事実にも驚きました。
数々の場面で、日系人が長い間アメリカでの人種差別に苦しんでいたことも、アメリカに来て初めて知ることとなりました。
アメリカに住んでみて驚いたのは、日本の文化がアメリカに残っていること。建物のみならず、盆踊りの文化まで。
そういった光景を見ると、日系人の人たちがどんな想いでその文化をアメリカで守ってきたんだろうと思うと、切なくなりました。
ここで、私が強調したいのは、日本で教育を受けた私がこういった事実を知らなかったということです。
自分は学校の歴史の授業では本当に大切なことを学んでこなかったのではないかとショックを受けました。
これからの歴史教育に期待すること
日本人は最初から他の国の人に快く受け入れてもらってきた人種なのだと、私は大きな勘違いしていました。
今、私が色々な国を訪れても、いやな思いをしなくていいのは、逆境の中で信頼を勝ち取ってきた先祖のおかげであるということに、アメリカに住んでやっと気づくことができました。
私は、もっと世界で頑張ってきた人たちのことを、学校で教えるべきだと思います。
日系移民の話はそのひとつ。
頑張ってきた人たちのおかげで今の自分たちの地位があることを知る必要があります。
その話は、国内外で頑張る私たちを勇気づけてくれるはずです。
小学6年生の授業で、「歴史を学ぶ意味は?」と担任の先生に尋ねられて、
「過去とおなじ失敗をしないこと」
と、当時の私は答えました。
今なら、下記の答えをつけ加えたいと思います。
「先祖の人たちが考えてくれたおかげで今の生活があるように、自分たちが後世に何を残せるかを考えること」
歴史は、過去と現代を照らし合わせて考えていき、自分たちは何をできるかを考えることが大事なことなのではないかと、今は考えています。
こんな新しい気づきに出会えたのも、日本を出て、アメリカで日系移民の文化に触れたからこそ。
旅行は新しい歴史に出会うことができる、絶好の機会ですね。
日系移民の歴史をまなぶのにおススメの博物館
ロサンゼルス・全米日系人博物館
- 施設名:Japanese American National Museum
- 住所:100 N Central Ave, Los Angeles, CA 90012 Google マップ
- Webサイト:http://www.janm.org/
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日経のこちらの記事「「全米日系人博物館」が伝える移民の奮闘の歴史 :日本経済新聞」での紹介がわかりやすいです。
サンノゼ・日系移民博物館
- 施設名:Japanese American Museum of San Jose
- 住所:535 N 5th St, San Jose, CA 95112 Google マップ
- 訪問記事:サンノゼ・ジャパンタウンの日系移民博物館で、伝承された歴史を学ぶ!
日系移民の歴史を学ぶのにおススメの本
福岡出身の主人公がアメリカに船で渡り、アメリカでの厳しい労働や人種差別、収容所での生活を乗り越えて、日系人としてアメリカでの生活を二世・三世と築き上げる様を描いたマンガ 全8巻。
私が知らなかった日本人の歴史が描いてあり衝撃でした。
自分の子供にも読ませたいマンガです。
さいごに
本記事では、アメリカに住んで初めて知った日系移民のこと、筆者が日本人ブランドに対して大きな勘違いをしていたこと、そしてこれからの歴史教育に期待すること、について思いを書いてみました。
不思議なことに、アメリカに住むと日本のことをもっと考えるようになりました。
あえて外に出て、内の世界を見てみるのもいいことかもしれませんね。